村田浮立の大きな特徴
① 江島町の「行列浮立」
江戸時代の大名行列を思わせる華やかな行列で、槍や鉄砲を携えた一団が、村田八幡神社と江島石王社の間を往復します。整然とした隊列や勇壮な所作は、当時の武家文化を今に伝える貴重な姿です。
村田浮立(おくんち)とは
鳥栖市村田町と江島町に伝わる秋の祭り「村田浮立(むらたふりゅう)」は、地元では親しみを込めて**「おくんち」**と呼ばれています。
江戸時代から受け継がれてきたこの祭りは、豊年感謝と無病息災を願って奉納される伝統行事で、鳥栖市の重要無形文化財にも指定されています。
② 村田町の「獅子舞浮立」
二頭の獅子が舞う獅子舞で、村田八幡神社と江島石王社の境内で奉納されます。
単なる祭礼の余興ではなく、独立した芸能として完成された内容を持ち、迫力ある舞と独特のリズムが見る人を魅了します。
羽熊(はぐま)
主に小学校五年生、六年生が担当します。棒の先に髪の毛のようなものがついており、それをくるくる回し舞いながら行列を進みます。ゆっくりと鉦のお囃子にテンポを合わせ、長い羽熊の棒を大きく振りながら、一歩一歩進んで行くというような、ゆっくりした進み方です。
鉦(かね)
主に中学生が担当します。
2個の小鉦と壱から壱伍までの大鉦があり、古いものは江戸時代からの鉦が残っています。古いものほど重いようです。
ひとつが10キロほどの重さなので、右手左手と手を変えながら打ち鳴らして進みます。中学三年生の二人が、小鉦を担当し大鉦の後を進み、こちらの小鉦に合せて大鉦を打つ決まりです。
太鼓
大鉦、小鉦の後に小学三、四年生の二人の子供が交代に叩く太鼓が続きます。「やーさ!・さいさい」などと声と太鼓の音が鳴り響きます。
笛
一応曲の楽譜があるのですが、五線譜ではなく、独特の音階が文字で書かれており、
受け継いできた人から教えてもらうほか解読は出来ません。
簡単そうに見えますが、音を出すのは非常に難しそうです。
獅子釣り
まだ未就学の二人の小さな子供が色鮮やかな衣装と華やかな花を飾った笠に身を包み、軍配を持ち二頭の獅子を従えて行列に続きます。
獅子
獅子釣りの子供に促され、二頭の獅子が舞う獅子舞で、村田八幡神社と江島石王社の境内で奉納されます。
単なる祭礼の余興ではなく、独立した芸能として完成された内容を持ち、迫力ある舞と独特のリズムが見る人を魅了します。また、獅子は行列の前後を練り歩き、子供や若い女性を驚かせながら巡ります。獅子によるお祓いを受けることで一年の無病息災を祈願するとされており、あちらこちらで両親に連れられた小さな子供たちがお祓いを受ける光景が見られます。
村田浮立は、勇壮な行列浮立と伝統ある獅子舞浮立が融合した、江戸時代から続く貴重な民俗芸能です。
地域の人々が世代を超えて受け継ぎ、豊年感謝と無病息災への願いを込めて奉納する姿は、まさに地域文化の宝といえます。
秋の鳥栖市を訪れる際には、地元の人々の熱意と歴史が息づく「おくんち」をぜひ間近でご覧いただき、その迫力と伝統の深さを体感してみてください。また現存する大鉦(今は割れていてまともな音は出ませんが)には「安政三年十一月」との刻印が確認できます。安政と言えばペリー来航より始まる幕末の大きな変動期。今から170年以上も遡る時代です。村田浮立はそれ以前から伝わる伝統芸能という事です。
安政3年 十一月の刻印が確認できる大鉦。